よし記た!

絵を描くことが好きな人が自作の漫画やイラストなどを公開しているブログだよ。

パグが家の前に立ちはだかる

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さっきのことである。

 

ペットOKなマンションに住んでいるためか、家のドア前にパグ犬がいた。

 

ドアまで約5メートルくらいのところで気がついた。

 

 

こちらに気がつくとメッチャ吠え始め、足を一歩進めると縄張りを示すかのように

向こうも歩幅分踏み出し威嚇してくる。

 

 

小学生の頃、同じ体格くらいの犬に道路を追いかけられ、ゴミ捨てばに逃げ込んだ思い出が蘇る。ちょい怖い。

いや、克服したはずだし、

これじゃ家にも帰れないので進むと

 

いかんせん、爆走してきた!

来るなら尻尾を振ってきてほしいが、そんなサービスもなく猛突進。

 

 

咄嗟にちょうど持っていた傘で足とパグ犬の間合いを5センチばかりとるものの、

傘にぶつかる迫力に押され後退。壁に肩をすった。

 

 

犬に負けてる!

 

怖かった。紛れもない事実!

一歩下がる。

 

パグ犬、ドア下へ戻る。

 

マジかよ……

5メートルの距離はパグ犬絶対領域らしい。

動物の本気の威嚇がびりびり感じていた。

 

近寄れず、このままでは家に入れない。

そんな状況が生まれた。

 

 

このパグ犬どこから来たんだよ。

そんな疑問、パグ犬に怯え家に入れない人間の構図に比べたら、超どうでもいいことだった。

……ちょっと恥ずかしい状況なのかもしれない。

 

 

こっちの方が図体がデカいのだから、相手も怖いはずだろうと考えを変えた。

 

「怖くない

 怖くない」

 

声に出してゆっくり歩みだした。

目はパグ犬から離さずにそおっと。

心はパグ犬と友達になる気で進む。

 

 

パグ犬が吠え、身を乗り出しかけると足を止める。

そして間をとると、ゆっくりと足を進めた。

 

 

ジリジリジリ……

 

 

家のドアに近ずくごとに、パグ犬が身を引いて行く。

度々吠えてくるが後退し、家のドア前にある階段を下りていく。

 

とうとうドア前にたどり着いた。

パグ犬こちらを眺め、吠えはするものの動かない。

犬との距離、約2メートル。

 

そこに後ろから他の犬の鳴き声が聞こえてきた。犬を抱えた近所の方がやってくる。

緊張の空気はもうない。

どんな状況だったか気づかれないように、普通を装いドアを開け家に入った。

 

 

こうして帰宅を果たした男は一難乗り越えたのごとく、買ってきていた完熟バナナミルクで心を癒した。

 

 

ナウシカさんやムツゴロウさんのようにはいかなかったが、

いつか犬と友達になれないだろうか。